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タチウオゲームの実情をリポート
シーズンカレンダー
夜出船:あり
ヒットレンジ:10〜120m
群れの入り具合次第だが、2016年はずっと居続け、釣れ続いた。ポイントは浅場から深場まで、さまざま。
広島と愛媛の間を、小さな6つの島々を結びながら架けられた連絡橋、しまなみ海道。16年11月初旬、このしまなみ海道の生口島にある船宿、ひでまるから、秋の瀬戸内タチウオを釣りに出かけた。
この日の釣り場は四国側に渡った愛媛の新居浜だ。僚船からの爆釣情報が入り、もともと予定していた山口から、針路を大きく変えて向かったのだ。東は香川から西は山口まで、ひでまるが行くポイントは、水深も潮の速さもバリエーションに富んでいる。急なポイント変更にも対応できるよう、こちらもさまざまな「攻め手」を用意しておくべきなのだ。
今回のポイントは新居浜。
船長「水深は30mくらい。ジグは80gまでありゃエエ。というのも、新居浜のある燧灘は浅くて、潮も緩い所やけぇ、軽いジグが強いよ」
新居浜に着くと、すでに大船団ができていて、あちこちで銀色に輝くタチウオが抜き上げられ、宙を舞っているではないか。早速、われわれも釣りを始めた。
すると、きた、きた!ひと流し目から、あっちもこっちも、竿が曲がっていくじゃないか!ちょっと細めの指3本クラスが中心だけど、時折、うれしい指4本が交じる。
爆釣タイムは続く。そんななかでも、ジグのカラーや形状で、釣果の差が明らかに出る。実に面白い。例えば、赤金にはガンガン食うけど、緑金だとイマイチといった具合に。少し緑ににごった今日の潮色も関係していたのかもしれない。小さなことで、獲れる数が大きく変わるのだ。
秋の風物詩、瀬戸内タチウオを満喫したわれわれ。だが、
船長「いや、いまはずっとよ。年中。夏も冬も釣れる。タチウオは今、年間を通じて凄い人気なんよ」
いまや秋だけじゃない。波静かで、風光明媚な瀬戸内海では、今日もどこかで、銀の刀が舞っているのだ。
瀬戸内スタイル①
先糸に付けた50ポンドリーダーがスパンとやられた
瀬戸内の船は比較的、舷が低く、抜き上げやすい
密集船団
瀬戸内では、波穏やかで潮の流れが緩いときには、密集した大船団が形成される。隣の船の人と竿どうしが当たりそうになるくらいの間隔で釣りをするのだ。その分、爆釣している人がいたら、よく見えるので、ジグの形やカラー、フックセッティング、シャクリ方などをしっかり観察して参考にしたい、というか、すぐさま自分の釣りに取り入れたい。また、周囲だけではなく、自分の仕掛けにも注意を払うべき。釣ったり、アタリがあったりした後は、とくにリーダーを入念にチェックしよう。タチウオの鋭い歯で傷ついていることがよくあるのだ。
瀬戸内スタイル②
タチウオを釣り込んで作り上げた鏡牙ジグベーシック。一日、使い倒しても疲れない引き抵抗の軽さも特長だ
ベーシック強し!
この日は、80gの鏡牙ジグベーシックのワンピッチジャークで、手返しよくどんどん釣れた。カラーはやはりパープル系、赤金の瀬戸内定番色のほか、潮色がにごり気味のせいか、シルエットがはっきり出るブラックも良かった。ただ、食いが少し渋ったときには、ベーシックではなく、セミロングのスローピッチジャークの釣れ方が際立つ場面も。2種類のジグタイプを使い分けることで、はっきりと差が出るのが面白い。
瀬戸内にはさまざまなタイプの釣り場がある
今回のような潮の緩い浅場もあれば、水深100mを超えるディープ、島と島の間を潮流がごうごうと流れる「瀬戸」などがあり、釣り場によってジグやタックルを使い分けたい
瀬戸内海の船
広島県尾道市生口島垂水漁港
ひでまる
しまなみ海道にある広島県生口島の垂水港を拠点とする船宿。今回お世話になった新畑(しんばた)秀行船長をはじめとする12艇体制で釣り人を迎えてくれる。仕立も乗合も、いずれもOK。
TEL:090-8999-1035
船長オススメカラー
「まあ、食うときは何色でも食うんやけど(笑)。でも、絶対的な定番色はあって、ここらへんはパープルとアカキンが強い。とにかくこの2色が軸なんで、必ず持っておいてほしいですね。天候や潮色によっては、チャートやグロー系がハマることもあります。鏡牙ジグはよう釣れとったね。値段を聞いたときには、安すぎて逆にビックリしたけど(笑)。どうしてもジグが切られることの多い釣りやけぇ、これだけよう釣れてリーズナブルな値段やったら、お客さんにも勧めやすいで」と船長。
CHパープル&グロー/PHアカキン&ゴールドラメ