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タチウオゲームの実情をリポート
シーズンカレンダー
夜出船:あり
ヒットレンジ:30〜150m
例年、数型ともにそろうのが10~12月中旬。なお、急深の海なのでこの水深でも港から数分の場所になる。
「河口から沖に伸びるスリットを釣るから、一番近い釣り場なら3分(笑)。だから昼夜どちらもタップリ遊べるよ」とは、海竜マリンパーク・ドリーム-1の大平悟船長。
魚影の濃いエリアゆえに、待ちの操船が主流のこの地区で、反応を追いながらラインを綺麗に立てる攻めの操船で、いま日本海で最も熱く富山湾のタチウオジギングをリードするのがこの人である。ゆえに釣果の安定度は群を抜き、他の地区なら十分すぎるトップ50尾程度では、「ちょっと渋め」というほどで、最盛期には120ℓクーラーがひとりで満杯になることもしばしばという。
「このへんは、水深は200~300mの場所もざらだけど、反応が出るのは15~150mぐらいのあいだ。常願寺川沖から始まって、神通川、庄川の順に釣れる場所が移動するね」
こうしたハイシーズンは100mぐらいの浅場(?)に群れが固まる。ゆえに、ジグは130~150gをメインに100gも併用。ラインはPE0.8号を基本としたいそうだ。
「中層を釣るから、フォール中のバイトを取れるスキルで釣果が大きく変わるよね。個人的には、そのためにフックセッティングは、フロントはチラシバリでジグの動きを優先させる方がいいと思うよ」
なお、タチウオはもっぱら秋~初冬の釣り物として定着しているが、3~5月のホタルイカが接岸する時季も有望なので今後に注目したい。
富山湾スタイル①
中層の反応をタテ釣りで狙う
干満差が小さく海流も緩い富山湾は、河口の沖には川の流れが作るスリットが急深の沖まで伸び、タチウオの好む砂泥底が広がっている。常願寺川、神通川、庄川と流量にめぐまれた川が隣接しているため岸から入る栄養塩と深海からの湧昇流によって、タチウオの圧倒的な資源量を支えている。このため、他の地区では、魚探に写りにくい中層のタチウオの反応を追って、ラインをまっすぐにキープして流す「タテ釣り」による攻めの操船が活きるのだ。なお、中層に浮いた反応をバラケさせないために、ジグを落とすのは指示ダナの下限までとしたい。
富山湾スタイル②
魚影が濃いだけに、ティップの良しあしが獲れる数の差となってはっきり出るのが富山湾の釣りだ
ソリッドティップが断然有利だ!
「ジャークのテンポやパターンも大切だけど、一番重要なのはフォール中のバイトを感知して掛けること。そのためにはソリッドティップのロッドが絶対に有利」とは大平船長。取材で持ち込まれた鏡牙AIR63Bのソリッドとメタルトップのモデルは船長も大絶賛。柔らかいのに感度が高く、フォール中のバイトを主体に取っていく戦略では最高の相棒になるという。「他に開発時のテストでは、180mダチでの根魚やスロージギングで6㎏級の青物にも対応してくれた。タイラバやエサ釣りにライタチにもいいね」と、富山湾の繊細で手軽な万能ロッドとの太鼓判を押してくれた。
港から3分の釣り場もある
タチウオポイントは、岸から近い河口沖で、最も近い場所では出船3分のポイントもあるとか。それゆえ昼夜2便制の出船が可能となる。ゲームの実釣時間も7時間とたっぷりとれるところも富山湾の魅力。最盛期にはトップ50尾ぐらいの釣りが普通だという
富山湾スタイル③
ジャークで魅せてフォールで掛ける
コンビネーションジャーク=魅せる操作と食わせる操作のコンボが発祥の地でもある日本海では、タチウオジギングでも、その流れを汲むメソッドを使う人が少なくない。それがイラストのパターン。速いテンポのワンピッチジャークでアピールして、ロングジャークでフォールの間を作り、最後のロッドの操作によるテンションフォールでバイトを拾う。操作中のジグの動きに切れを出すために、大平船長は、フロント側のフックに軽いチラシバリを使うことを推奨する。こうしたメソッドのためにも、ロッドの感度と乗りのいいティップが必須なのだ。
追わせてからのフォールが効く
ハイピッチなショートジャークを3~4回いれてから「ポ~ン」とロッドいっぱい跳ね上げるのが基本。バイトを取るためのテンションフォールは、ロッドを下げラインを張らず緩めずでフォールさせる。だから、手感度&目感度を高いレベルで両立したロッドが断然有利